紅葉の季節
♪秋の夕日に照る紅葉 濃いも薄いも数ある中に……。小学唱歌「もみじ」で歌われる通
り、紅葉は夕暮れ時に見るのが一番美しいようです。日が傾くと、通過する大気層の厚さの
関係で太陽光の赤っぽい光だけが地上に届き、紅葉が一層映えます。
「今年の紅葉の見ごろは例年並み、色づきは全国的に鮮やかになりそう」と気象情報会社「ウェ
ザーニューズ」が先月発表していました。気象庁が年々の「紅葉情報」を発
表していたが、「本来業務になじまない」との理由で打ち切られ、代わって民間会
社や財団法人日本観光協会が各々発表するようになりました。
ただし気象庁旧来の「紅葉情報」も、尾瀬や鎌倉など関東地区17か所の紅葉の名所につい
てだけ、独自に考察し、「紅葉予測の計算式」に基づいて算出、発表していたもの。ちなみに
同計算式「4.62×9月の平均気温-47・69」に、今年9月の平均気温が24・1℃だった名古屋を
当てはめると、答えは「63.6」。つまり10月1日から63.6日後の12月2日頃が紅葉の見頃と
予測されます。誤差は6日前後だそうです。
「紅葉」と今日では書く。しかし奈良時代は「大君御笠の山の黄葉(もみじば)は今日のしぐ
れに散りか過ぎなむ」(大伴家持)とあるように、万葉集に80首以上も詠まれている「もみじ」の
表記はたった1首を除いて「紅葉」ではなく「黄葉」でした。中国の陰陽五行説で方角を色
で表す際、青は東、黒は北、白は西、赤は南と色分けされた中、黄は皇帝が居る中央の「最
も高貴な色」として扱われたためではないかとされています。
※続きは次回です。
marimo