■明治時代以降の花見
明治時代以降になると、日清戦争や日露戦争の
影響により、武家屋敷や貴族が所有していた庭園
は次々と取り壊されてしまい、屋敷や庭に植えられ
ていた桜も燃料として燃やされることとなり、江戸時代
に作られた多くの桜の品種は一時激減することとなった
そうです。
この事態を憂いた植木職人が残った桜を集め、自宅の
庭に植え替え保存した様で、その桜の数は、実に80
種類以上であったといわれていたそうです。
駒込の植木職人だった孫の命により、1886年に荒川
堤に桜並木は1910年頃には花見の新たな名所とし
て、庶民の間に定着していったのだとか。
こうした植木職人の尽力によって残された桜はその後
全国各地へ広まり、各研究施設などで品種改良が行わ
れ、現在に至っているそうですね。
■全国に広まった桜は花見時期もことなる
京都や江戸の都で楽しまれていた桜が全国に広まっ
たことで、現在では地域によって花見のシーズンが
微妙に異なるそうです。地域ごとのおおよその開花
時期は次の通りです。
北海道:4月後半頃
東北地方:4月前半頃
それ以外の地域:3月後半頃(沖縄のみ2月前半頃
より開花)
|まとめ
今では全国各地で楽しまれている花見も、起源は
奈良時代以前までさかのぼり、花も桜以外に、
梅や春の花を愛でていたそうです。貴族の楽しみ
として、または農民の五穀豊穣を願う宗教的な
祭事として花見がおこなわれながら、江戸時代に
は多くの桜が改良され、そして明治時代以降に
戦火をくぐり抜けつつ、植木職人や研究者などの
手により、全国各地へ桜並木が広がっていき、今
では北海道から沖縄まで桜が楽しめるようになっ
ているそうです。
日本の都から全国へ広まった桜の花見は世界
にも知られることとなり、海外から花見に訪れる
人も年々増えてきているそうです。桜の美しさ
だけでなく、桜に対する日本人の思いや花見
の歴史についても、海外の方にも知っても
らえるといいですね。
また次回おたのしみに峰不二子