さて、ここで機械式時計の小型化の発明に
欠かせない天才時計師について見てみましょう。
機械式時計の小型化は、 「時計界のレオナルド・
ダ・ヴィンチ」 と称された天才時計師“アブラン・ルイ
ブレンゲ”は時計の進歩を約200年も早めたと言わ
れるほどの人物であり、デザイン・技術の両面で時
計の発展を進めたそうです。
彼は時計の知識だけでなく工学、天文学、機械工学
などの知識を身につけ、革新的な発想と技術で人々
が驚愕する時計を世に送り出していたそうです。
ここで、天才時計師ブレゲがどれほどすごい発明を
したか彼の発明の一部をみてみましょう。
・西暦1780年 ペルぺチュエル 「オートマティック」
と呼ばれる自動巻き機構の実用化
・西暦1783年 ミニッツリピーター用ゴング発明(音
によって時刻を知らせる装置)
西暦1790年 パラシュート機構(衝撃吸収機構)
西暦1795年 パーペチュアルカレンダー(日付
調整不要。閏年まで計算してくれる機能)
・西暦1801年 トゥールビヨン(重力分散装置。
極限まで精度を高める機構)
前記以外に、数々の発明をし、ブレゲの時計は
ヨーロッパ各地の王侯貴族や富裕層、エリート階
級に愛され、フランス王妃マリー・アントワネットも
西暦1783年に彼に時計制作の依頼をしている
ほどだそうで、ブレゲの死後は弟子たちが製作を
受け継ぎ、西暦1827年に完成したそうです。
機械式時計の3大複雑機構と言われる 「トゥー
ルビヨン」 「永久カレンダー」 「ミニッツリピ
ーター」 はブレゲの発明のようです。
彼がいなければ、もしかすると現代に存在する
ような小型化された時計は存在しなかったかも
しれませんね。
さらに西暦1901~2000年代に入ると電子の
時代へと大きく変革していったそうです。
西暦1950年代後半に、水晶を動力源とする
クォーツ時計の開発が進み、大衆に向けて
腕時計が広まってゆく時代となったようです。
今では腕時計の中に収まるほどの大きさの
ようですが、アメリカで発明された当初(西暦
1927年)はタンスほどの大きさがあったそう
ですね。
日本はクォーツ時計の小型化、実用性に取り
組み、その研究を重ねたブランドが言わずと
知れた“セイコー”。
1964年に開催された東京オリンピックで競技
を測定するための卓上型のクォーツ時計を作り、
改良され西暦1966年に懐中型、西暦1967年
に腕時計のプロトタイプが完成し、商品化方針が
打ち出され一気に開発が進んだそうで、世界初の
クォーツ腕時計は西暦1969年12月25日にセイ
コーから販売され、45万円の価格の 「セイコー
クオーツアストロン35SQ」 だったそうです。
(当時の45万円は大衆車と同じ価格。)
このことをきっかけに、携帯時計の精度は飛躍
的に進歩し、安くて正確なクォーツ時計が普及す
ると、機械式時計の需要は下がりスイス時計業界
が厳しい状況に追い込まれる事態にまで発展して
しまったそうです。
世界最古の時計ブランド“ブランパン”は一時休
止し、IWCは倒産寸前と壊滅的な打撃を受ける
ほど。
その影響は80年代後半にまで続き、約15年間
で大半の機械式時計は倒産し、姿を消してしま
ったそうです。
ようやく西暦1990年代に機械式時計は復活を
遂げ、単なる時間を確認するためのツールでは
なく 「工芸品としての価値」 「資産としての価値」
があるからだそうです。
現在では、高精度のクォーツ時計やスマートウォッチ
の人気も変わらずあるそうですが、職人技の集大成
の機械式時計は美術品のように美しく繊細な機構に
うっとりしてしまう魅力がありますね。
一時期は機械式時計の需要が危機的状況に追い
込まれてしまったそうですが、クォーツ時計が誕生
したことで機械式時計の素晴らしさが見直された
うえに、腕時計を身近なものに変えたと言えるのだ
と思います。
時計の歴史は、西暦1300年頃から約630年の間
に急速に発展を遂げ、経済と人類が発展するとともに
時計の発展も進み、まさに時代と人類の発展を表す
ものだと言えるかと思います。
|【時計と暦】 腕時計の動力の種類
これまで時計の発展について勉強していきましたが、
時計を計測する方法によって3種類に分けられる
ことは知っていましたか。
それぞれ 「機械式時計」 「クォーツ時計」 「原子
時計」 と呼ばれているのだそうです。
1、機械式時計
機械式時計はゼンマイで動いています。
巻かれたゼンマイが一定の間隔でほどけることで
時を刻んでいて、自動巻式と手動でぜんまいを
巻き上げる手巻き式の2種類があるそうです。
日本にはじめて機械式時計がやってきたのは、
西暦1550年にフランシスコザビエルが献上
品として持参したものであったそうです。
2、クォーツ時計
クォーツ時計は電気で動くようですが、内部で
水晶(クォーツ)を振動させその振動を読み取り
分針を動かします。
高精度であり、世界中のあらゆる人が時計を
持つことを実現させたそうです。
3、原子時計
原子時計もクォーツ時計同様に電気で動くよう
ですが、原子の電波を内部デジタル回路で読み
取り時刻を刻んでいます。
|【時計と暦】 人類のものさしー 「暦と時」
の関係性
時計の歴史について勉強していきましたが、
次は“時”をはかるツールとして欠かせない
「暦」 についてもみていきましょう。
時計の時刻同様、暦(カレンダー)も私たちに
とっては重要ですね。
はるか昔、農業が人間の主な産業だった頃に、
作物の種をいつまいたらいいか、冬への備え
はいつはじめたら良いのかなど、人類が生きて
いくために暦は大切なものであったようです。
カレンダーが存在していなかった時代、太陽や
月の動きから読み取り、生活を営んでいた
そうですね。
また次回おたのしみに 峰不二子