コラム 【振袖にはどんな意味がある?】
着る人の身長によっても袖の長さや見え方が
変わり、大振袖・中振袖という種類にとらわれ
すぎず、着る方に合わせたバランス感で選ぶの
が良いでしょう。
成人式の振袖は、着ることになる新成人の方
が主役で袖の長さはもちろん、柄や色など、着る
方のお好みを優先しながら選ぶと良いかと思い
ます。
小振袖
着物の基礎知識
袴に合わせると、やや袖が長すぎる印象になる
ようですが、小振袖ならバランスよくまとまり、
小振袖はセミフォーマルにも対応が可能なため、
パーティーやカジュアルな観劇・お茶会など
お出かけ着としても、堅苦しくなり過ぎず、着用
することができるかと思います。
|振袖の柄の意味とは
着物の柄はさまざまな意味や願いが込められた
ようで、着ていく場所に合わせ、思いに沿った柄を
選ぶのも楽しいですね。
振袖には、長寿や平和、繁栄などを意味する縁起
の良い柄が描かれており、今回はその中でも代表
的な 「吉祥文様」 「有職文様」 の二種類について
見てみましょう。
吉祥文様
「吉祥文様」 は着物やさまざまな伝統工芸品にあし
らわれてきた、特に縁起の良い柄として知られる柄
で、大陸から伝わってきたものが多く、古代の中国で
縁起が良いとされていたモチーフが色濃く反映されて
いるそうです。
代表的なところで、長寿の象徴である亀の甲羅をモチー
フにした 「亀甲」 (きっこう) 、未来永劫の平安を願
う 「青海波(せいがいは)」 、家の繁栄や長寿を願う
「沙耶型(さやがた)」 五穀豊穣のの他願いも込めた
「入り子菱(こびし)」 など。最近人気の 「麻の葉」 は
は、魔除けの意味が込められた柄だそうです。
有職文様
吉祥文様が大陸から伝わった後に、平安時代に入って
遣唐使が廃止され、日本独自の 「有職紋様」 が、平
安貴族の中で流行したようです。十二単や束帯のほか、
調度品などにも多く描かれた、優美な織り文様で、当時
宮中の儀式や行事に関する研究者や学者(有識者)
たちが着用することが多かったことから 「有職文様」
と呼ばれるようになったといわれているのだそうです。
水蒸気が立ち上がる様子を描いたといわれ“運気を
上げる柄”として有名なのが 「立桶(たてわく)」 。
瑞雲や波、藤などと組み合わせて描かれることも多
く、それぞれ 「雲立桶」 「波立桶」 「藤立桶」 と
名前がついているそうです。
また丸いフォルムから円満を表す 「七宝」 は
宝尽くしを構成する柄の一つになっているのだと思い
ます。
|まとめ
ひときわ華やかな 「振袖」 は着物の中でも未婚
の若い女性に限られ、なかなか着用する機会を得る
のも難しいそうで、成人式は振袖を着られる貴重
なチャンスのようです。様々な色柄が豊富にそろい、
着る方の好みの色や柄を選ぶ楽しみもひとしおのよう
ですね。ぜひ、描かれた柄の意味も知って、お祝い
の気持ちや願いなどを込め、お気に入りの一着を
選んでみるのが良いですね。
また次回お楽しみに 峰不二子
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