日本のおみくじ製造会社と歴史
明治時代、山口県の神社に21代宮司がいました。
当時はまだ男尊女卑の概念がとても強くあり、女性が神や仏に奉仕するとされる職に就く事はタブー
とされていたのだそうです。
しかし、神道には女性をけがれとみなす思想は無かったので、宮司は女性神主の登用や産政権を求め
1905年にとある団体を結成したそう。
これはあの有名なものよりも早く、女性の自立を求める組織としては日本で最初の団体だと言われて
いるそうです。
とある団体が日本全国に支部を広げ、さらにはアメリカのロサンゼルスやハワイ、朝鮮にまであり、
また、その機関紙の発行を支える資金を確保するため設立されたのが、おみくじの製造・販売を
行う会社だと思います。
実は1906年に、日本で初めておみくじの自動販売機を開発し、「神前(しんぜん)結婚式
(神の前で結婚を誓う、日本の伝統的な挙式スタイルのこと)」を普及させたのもこの会社
なのだと思います。
|おみくじってどうやって作られてるの?
ある会社が製造・販売するおみくじは昔から変わらず、地域の女性たちの手作りのようです。
年末年始が近づく繁忙期には約100名ほどの主婦たちが交代で作っているのだそうです。
印刷以外の紙を折ったり切ったりする作業やおみくじの箱詰めは全て手作業。ベテランに
なると1日6,000~7,000枚ものおみくじを折れると思いますが、これが慣れていないと
折り目が合わなかったりとても難しいということだそうです。
現在とある会社で主に製造されているおみくじは18種類あり、他にも訪日外国人向けの
和英文おみくじや、イベント用のおみくじも作られていることのようです。
おみくじの種類
|一般的なおみくじの種類
おみくじの種類で大体「大吉」が一番良く、「大凶」が一番悪いのだという事は多くの人が
知っていることだと思いますが、その間の種類はどのようなものがあるのか知っている人
は少ないと思います。
おみくじの一般的な種類は7種類あり、「大吉・吉・中吉・末吉・凶・大凶」という順番で、
「吉」 「中吉」 「小吉」 の順番はその神社によって多少のちがいはあるそうですが、
この7種類が一般的だと言われているそうです。
|〇〇稲荷大社のおみくじはもっと複雑?
〇〇稲荷大社のおみくじは全17種類もあり上から順で、大大吉・大吉・凶後大吉(きょうのち
だいきち)・凶後吉・末大吉・末吉・向大吉(むこうだいきち)・吉・中吉・小吉・小凶後吉(しょう
きょうのちきち)・後吉・吉凶末分末大吉(よしあし いまだ わからず すえだいきち)
吉凶不分末吉(きちきょう わかたず すえきち) ・吉凶相半(きちきょう あいなかばず)
吉凶相交末吉(きちきょう あいまじわり すえきち)・吉凶相央(きちきょう あいなかばす)
読み方も意味もわからないような珍しいものばかりで、抜粋して意味を見てみましょう。
■「吉凶後大吉」 「凶後吉」 「小凶後吉」→最初は苦労があるが、後に良いことがある
■「向大吉」→大吉に向かう良い運
■「吉凶末分大吉」→吉か凶かまだ分からないがいずれ大吉となる、努力次第では大吉
になる可能性がある
■「吉凶不分末吉」→吉か凶か分けることはできないがいずれ吉となる
■「吉凶相半」→吉と凶が半々
■「吉凶相交末吉」→吉と凶が今は互いに交わっているがいずれは吉となる
■「吉凶相央」→「吉凶相半」と同じ意味で、吉と凶が半々
おみくじのマナー
|まずはおみくじを引く前に!
寺社仏閣でおみくじを引く際、まずは手水舎で手を清めてから参拝をし、心を
正して引くそうです。
また「思い通りの結果が引けなかったからもう一回引こう」という気持ちがあると思いますが、
1日のうちに1回以上引くのはだめ。もし引き直したいのなら少し期間を開けると良い
そうです。
初詣以外にもお参りをしたときはいつでもおみくじを引いて良いものだと思います。
|おみくじは持ち帰る?
おみくじは神様から頂いたありがたいお言葉なので自分への戒めとして持ち歩く人もいれ
ば、良くない結果のおみくじが出たからその場に結んで帰るという人もいるかと思いますが、
実はどちらが正解というのはなく、自分の好きな方を選んで良いそうです。
ただし年が変わっておみくじの役目を果たした時、ゴミとして捨ててしまうのは絶対にダメ
だそうです。
神様と縁を「結ぶ」ために、神社の境内に結んで返すそうです。おみくじを引いた神社が遠い場合
は、近くの神社でも構わないと思います。
|おみくじを引くときの注意
おみくじを境内の木々に結びつけるのは木の生命力にあやかるためだそうで、結ぶときは
しっかりと願いを込めるとよいそうです。
また「凶」のおみくじは利き手と反対の手で結ぶと「無難な行いをした」、ということで凶から
吉へ転じるという言い伝えもあるのだと思います。
ただしむやみに境内の木々に結び付けてしまうと植物が傷むので、必ず指定された
場所に結んでおくと良いと思います。
「初詣」や「おみくじ」は英語でどう表現する?
「初詣に行く」は「pay a visit to shrine」と言い、「おみくじを引く」は「recetive a fortune」
と表現するそうです。
それぞれのおみくじの種類についてはこのような表現をするようです。
「大吉」→great luck
「中吉」→middle luck
「小吉」→small luck
「吉」→good luck
「末吉」→uncertain luck
「凶」→bad luck
「大凶」→worse luck
また次回おたのしみに 峰不二子