コラム  【お盆とハロウィンと同じ!?】 

 お盆とハロウィンは同じ!?ハロウィンの由来

と風習を紹介



「ハロウィン」 と聞くと、渋谷のスクランブル交差

点をはじめ各地で行われるハロウィンイベントを連想

するかと思います。


しかし本来のハロウィンは死者をこの世に迎え入れ

る行事であるということは日本ではあまり知られてい

ないかと思います。


日本人にとって死者や先祖を迎え入れるといえばお

盆のようですが、お盆にもよく似たハロウィンについ

て、古代ケルト民族による季節祭にまで遡ってみて

みましょう。



|ハロウィンの起源は古代ケルトの 「サウィン祭」



ハロウィンは、もともとは古代ケルト民族のサウィン祭

(サムハイン祭りとも呼ぶ) が起源のようです。


ハロウィンについて勉強する前に、まずはケルト人が

どのような民族なのか、どのような宗教観や死生観を

持っていたのか、そして彼らにとって一年間でもっとも

大切な供養祭であった 「サウィン祭」 がどのような

ものであったかをみてみましょう。



ケルト人の死生観 霊魂は不滅で輪廻転生する


ケルト人は紀元前400年頃にはヨーロッパ全土に

分布し、現在のヨーロッパ社会の基層文化を作った

民族で、彼らは自然崇拝の多神教で、霊魂は不滅

で必ず再生するのだと信じていたそうです。


ケルト人を征服したのは共和制ローマの皇帝カサ

エルでしたが、カサエルの 『ガリア戦記』 には

ケルト人は死を恐れずに戦ってきたとの記述が

あり、霊魂の不滅を信じていたケルト人の一端が

見て取れるそうです。


サウィンは1年の終わりと始まりの日


今でもハロウィンは10月の最後の日に行わ

れるそうですが、この日には一体どのような

意味があると思いますか。


ケルト人にとっての新年は11月1日から始ま

り、10月31日は彼らにとっての大晦日だった

そうです。農耕牧畜に生きるケルト人は1年を

夏と冬の2つに分けて考えていたそうで、

サウィンという言葉は 「夏の終わり」 を意味

するそうです。


つまりケルト人の1年は冬の到来から始まる

そうですが、古代ケルト人にとってこれから

やってくる極寒冬はまさに、餓死や凍死など、

現実的な 「死」 が目の前に現れる季節

だったようです。


サウィン祭では死者の霊の魂が現世に帰っ

てくるものとし、死者をさまざまなお供え物

でもてなし、夏の収穫を感謝し、これから

やってくる冬の平穏を祈ったのだと思い

ます。


サウィン祭では伝統的にかがり火が焚か

れるそうですが、これは冬の食料を確保

するため、家畜を屠殺し、その骨を焼いた

ものだそうです。そこからこのかがり火の

ことを 「ボンファイヤ(骨のかがり火)」 と

も呼ばれていたのだそうです。


日本の供養文化に似ていると思いま

せんか。自然崇拝の多神教、さらには輪廻

という仏教思想。死者や先祖の霊を迎え入

れて供養するという点ではお盆に似ている

ようで、それを季節の変わり目に行うという

点ではお彼岸供養に似ているようですね。



万聖節(ばんせいせつ)と万霊節

(ばんれいせつ)



古代から中世にかけ、キリスト教がヨー

ロッパを席巻すると、古代ケルト人による

慣習も次々にキリスト教化していったそう

で、サウィン祭も例外ではなかったそうです。


カトリック教会の祝日の一つに聖人や殉教

者を祝う 「万聖節」 というものがあるそう

ですが、(「諸聖人の日」 とも呼ばれる) 、

もともとは5月13日に行われていたもの

を、8世紀前半に時の皇帝グレゴリウス

3世が11月1日に移し、現在に至っ

ているそうです。


なぜ万聖節をサウィン祭の日に重ねた

のか。によると、ケルト人へのキリスト教

の宣教のため、あるいは伝統社会の大

切なな慣習をキリスト教社会が活かす

為だと思います。それほどまでにケルト

民族の慣習がヨーロッパの人たちに

染み込んでいたことが想像できるそう

ですね。


万聖節は 「オール・ハロウズ・デー

(All Hallow's Day)」 と呼ばれ、

「ハロウズ・イブ(万聖節の前日)」 が

転じて 「ハロウィン」 と呼ばれるよう

になったのだと思います。


ハロウィンは海を渡ってアメリカから世界




宗教改革によりハロウィン文化は一気

に廃れていくそうですが、スコットランドや

アイルランドなどでは伝承として引き続き

広く普及し、そして19世紀に大量の移民が

アメリカに押し寄せたそうです。はじめは

移民たちだけで行われていたハロウィン

でしたが、やがてそこで行われるゲーム

やパーティーはアメリカ全土に広がり、近年

のグローバル化にともない世界中でハロ

ウィンイベントが行われるようになった

そうです。



|ハロウィンのシンボルとその意味


秋になると雑貨店から100円ショップまで、

あらゆるハロウィングッズが並び、ハロ

ウィンコスチュームや飾り物。そこに描か

れるアイコンたちにはどんな意味がある

と思いますか。


魔女



ハロウィンでは魔女のコスチュームで仮装

するようです。帽子をかぶり、ワンピースや

マントを身にまとい、右手にスティックを持つ

姿はまさにハロウィンの象徴で、魔女は

ヨーロッパ社会では古くから超自然的な力

を持ち、この世とあの世をつなぐ存在とされ

ていたそうです。

サウィン祭の名残が、今の日本のハロウィ

ンの中にも隠されているようです。


黒猫


ハロウィンでは、黒猫と魔女は切っても切れ

ない関係で、黒猫は伝統や信仰と深く結び

つく動物だそうです。アメリカでは黒猫は縁

起が悪い動物とされているようですが、

イギリスやスコットランドでは幸福や繁栄の

象徴と言われているようです。



かぼちゃのおもちゃ 「ジャック・オー・

ランタン」


かぼちゃをくりぬいて作ったランタン(提灯)、

いわゆる 「ジャック・オー・ランタン」 は、

成仏できない男が悪霊にもらった火種を携え

てさまよっていたというブリテン諸島の伝承が

もとになっているようです。ちなみにスコットラ

ンドやアイルランドのジャック・オー・ランタンは

かぼちゃではなくかぶをくり抜いて作られ、わたし

達が知っているようなかぼちゃのランタンはアメ

リカ発祥のものだと思います。



ハロウィンの色


ハロウィンにはさまざまな特徴的な色が使われて

いるのだそうですが、それぞれ意味するところが

あるそうです。黒は、夜、闇、死、魔女、こうもり、

黒猫など、オレンジはかぼちゃ、ジャック・オー・

ランタン、火の明かり、紫は超自然的なものや、

魔法、緑は怪物や魔女、赤は血、白は幽霊など

を表していると言われているそうです。



|トリック・オア・トリート お菓子と仮装に込め

られた意味


英語圏のハロウィンではどもたちが 「Trick or

Treat(トリック・オア・トリート)」 ということばを唱え

ながら家々を回ってはお菓子を集める習慣がある

そうです。「お菓子をくれなきゃいたずらするぞ」 と

いう意味で、その言葉の奥にも古代ケルトの

サウィン祭の名残があるのだと思います。


この言葉には、 「おもてなし(お供え物)をしなけ

れば禍を起こすぞ」 という死者や祖先たちが

自分たちの存在を忘れることへの警告の意味

が込められているようです。仮装をする子ども

たちは疑似的に死者となり、彼らは死者の言葉

の代弁者として家々を回るのだそうです。


成人前の子供は神の化身という考えは世界中に

あり、(日本でも「七つ前は神の内」という言葉があ

りますね)、ハロウィンにおいても純枠の魂の持ち

主である子どもたちを死者の化身としてみなしたの

だと思います。



|ハロウィンと日本のお盆がとっても良く似ている


さて、ここまでハロウィンについて勉強してきまし

たが、よくよく見ていると日本のお盆とよく似ている

と思いませんか。そのポイントをみてみましょう。


自然崇拝と輪廻転生


古代ケルト人が自然を崇拝していて、多神教で、

霊魂は不滅で輪廻転生するという考え方は日本人

ととてもよく似ているようです。自然崇拝を崇拝する

民族はその中に自分たちの祖霊の魂を見るそうで、

共感できるかと思います。


ジャック・オー・ランタンと盆提灯


かぼちゃをくりぬいて作るジャック・オー・ランタン

は、中にローソクを灯し、死者を照らすためのとも

しびとして用いられ、死者を招き入れるのに火を

用いるのは日本も同じだそうです。日本では迎え火

や送り火をともし、家の縁側に盆提灯を吊るしてお

盆を過ごすようです。


トリック・オア・トリートと地蔵盆


関西地方に住んでいる人なら、ハロウィンと地蔵

盆が良く似ていると感じると思います。

地蔵盆とは毎年8月23日または24日に行われる

近畿地方特有の行事だそうで、地域の地蔵尊に子

どもたちが集まってお地蔵さまを供養し、お参りに

来た子どもたちにはお菓子が配られ、地域によって

はさまざまなゲームやイベントが催されるようです。


|まとめ



現在は火葬やパレードなどの祝祭のイメージが強い

ハロウィン。もとは日本のお盆と似たような死者供養

の行事だったことが分かったかと思います。


この季節になりますと日本各地でハロウィンパー

ティーが行われるようですが、コロナウイルスの影響

があるそうで、例年通りに行われるかどうかも不透

明だと思います。


かつてのハロウィンは、りんご食い競争やブドウ

つまみなど家庭の中で素朴なゲームも行われていた

そうです。今年に限ってはハロウィングッズを買い

込んで、おうちの中で家族で楽しくしてみるのもよい

かと思います。  


また次回おたのしみに  峰不二子








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