たいていの場合、数種類の漢方薬を
混ぜ合わせたものをティーバック状の袋
にしてあるため、それを赤酒や清酒、みりん
などに一定時間浸しておけば出来上がりだそ
うです。
飲み干した盃を年少者から年長者へまわして
いくのが本来の頂き方のようですが、もちろん
子どもや車を運転する人、妊婦さんなどお酒を
飲めない人は口をつけるだけの形式的なもの
で済ませてOKのようです。
「お雑煮」 「おせち料理」 の意味
お屠蘇を済ませたら、お雑煮をいただきます。
お雑煮は年神さまにお供えしたお餅をいただく
ための料理で、元旦最初に汲む 「若水(わか
みず)」 を使って作るのが正式とされている
そうです。年神さまからいただく年魂が宿った
お餅をお雑煮でいただくことによって、新しい
年を健やかに過ごすための生命力をいただく
という考え方だと言われている様です。
お雑煮の作り方や具材については実に郷土
性が豊かのようで、一般的に白味噌仕立て
の関西風やすまし汁の関東風とされている
ものにとどまらず、ありとあらゆる味付けが
あり、地域差だけでなく、各家庭ででも作り
方が全く違っていたりするそうで、お正月に
お呼ばれしたときにいただくお雑煮が自分
の家のものとは違う味で新鮮に感じることも
あるかと思います。
次に 「お節料理」 です。おせち料理は
「御節料理」 として、もともとは季節の節目
を祝う日(節句、節会など) に神様にお供え
する 「御節供料理(おせちくりょうり)」 を指
すそうです。年間を通して何度もある節句の
ようですが、そのなかで、特に大切な日がお正
月ということから、お正月の御節句料理だけが
残ったということのようです。
年神さまにお供えするお供物料理なので、縁起
の良いものや願いが込められている食べ物が多
く、めでたさが重なるように重箱に入れ、年神様
にお供えしたものを家族で分かちあいながら
いただき、一年の健康と幸せを願うのがおせち
料理なのだそうです。
おせち料理に保存食が多いのにはいくつか説が
あり、かまどの神様にお休みいただくため、あるい
は日頃忙しい女性がお正月くらいは料理を作るこ
となくゆっくりと過ごすことができるように、などと
いわれているようです。
「初詣」 に出かけよう!
お屠蘇やおせち料理をいただいたら、 「初詣」 に
出かけ、初詣は、新年を迎えて初めて神社やお寺
などに参詣し、その年の健康や幸せを祈願します。
初詣において、特に決まりやルールがあるわけ
ではないそうですが、初詣に出かかるのであれば
自宅にある古いお札やお守りなどを持参し、神社に
奉納するのがおすすめのようです。
お参りするべき期間として、松の内に済ませるの
が良いそうです。もちろん、松の内を過ぎると
なにか縁起が悪くなるというわけではなく、都合
の良い日に出かけるのが良いようですね。
|「七草粥」 「鏡開き」 「どんどん焼き」 でお正月
を締めくくる
一年の無病息災を願う 「七草粥」
松の内の最後の日でもある1月7日に一年の無病
息災を願って食べる 「七草粥」 ですが、なぜこの
日にお粥をいただくと思いますか。これにもきちんと
意味があり、昔の人々の知恵と願いが込められて
いるそうです。
もともと1月7日は 「人日の節句」 という五節句の
ひとつにあたり、七草粥はその行事で食べる儀式食
でもあるそうです。昔の中国では元日から7日までに
それぞれ鶏・狗(いぬ)・猪・羊・牛・馬・人をあてはめ
て占いをし、新年の運勢を見立てていたそうです。
人の日である1月7日に七種類の若草を入れた汁物を
食べて無病息災や立身出世などを願う風習があり、これ
が奈良時代の頃日本に伝わったのが七草粥の由来
とされているようです。
江戸時代に五節句が定められたことによって、広く浸透
していった七草粥ですが、それだけではなく、冬場に不足
しがちな野菜を食べて栄養補給することや、お正月におせ
ち料理やお酒などを楽しんだあとの体をいたわるというこ
ともあり、人々が大切にしてきた慣習だとも考えられている
ようです。
「鏡開き」 「どんどん焼き」 で年神さまをお見送りし
ましょう。
新年にお招きした年神さまの居場所だった鏡餅を割って食
べるのが 「鏡開き」 です。一般的には1月11日(関西や一
部地域では1月15日)に行われ、これは松の内が終わり、
年神さまをお見送りして仕事始めをする区切りでもあるよう
です。
年神さまがいらした鏡餅には年魂が宿っているとされている
ので、開いた鏡餅をお汁粉などに入れて食べることにより
一年の健康と幸せを願います。
同じく年神様をお招きするために飾っていた門松やしめ縄飾り
(正月飾り)も松の内が明けたら片付けるそうですが、どうやって
処分したらよいか悩んだことがあるかと思います。そのままゴミに
出してしまうのも気が引けてしまいますね。
これにもきちんと処分方法があり、それが 「どんどん焼き(左義
長)」 です。住宅街がひしめく都会ではあまり見かけなくなって
きたようですが、地方や郊外では子ども会などの行事として行わ
れているところが多いようです。小正月である1月15日やその
前夜14日に行うことが一般的で、町内の門松やしめ縄飾りを
子どもたちが集めてまわり、それを一か所でまとめて焚き上げ
るようです。
これは門松やしめ縄飾りを燃やすことによって、その炎で年神
さまをお見送りする意味があるようです。
また、書初めで書いた書物なども一緒に燃やされることが
あるようですが、炎が高く燃え上がると習字が上達するとい
われているようです。
また次回おたのしみに 峰不二子