コラム  年末の大掃除の由来

  どうして 「すす」 払いなの?


今では大掃除の由来である 「すす払い」 という言葉を

知らない人たちのほうが多いかと思います。現代の暮らし

のなかで 「すす」 を見かけることがほとんどなくなったのも

その理由のひとつのようですね。


現代と違い、電気のない時代は暖房や炊事、そしてお風呂

に至るまで、炭や薪を燃やす必要があり、換気扇といった

便利なものはないため、室内に置かれたかまどで炊事をす

ると、天井はすすで黒く染まったそうです。

当時の照明器具だったろうそくや行灯(あんどん)の油か

ら、燃えカスがたくさん発生したと言われているそうです。

それらから発生する燃えカスがホコリと一緒になったもの

が 「すす汚れ」 だそうです。

「すす汚れ」 は 空気に乗って天井にたまっていくため、

人々は年末の大掃除の際に長い竹ボウキやハタキを

使って払い落としていたようです。

ほんの数十年前まで、各家庭ではこんな年末年始の

光景が当たり前にあったかと思います。


映画 『となりのトトロ』 に出てくる“まっくろくろすけ”とい

う黒い不思議な生き物はこんなふうに天井にたまった

すすをイメージして作られているそうですね。


現代でもやってほしい 「すす払い」   



さて、時代が代わり現代。エアコンや電化製品を使う私た

ちの生活で 「すす」 が出ることはほとんどなく、数十年前

まで見られた、天井の角に黒ずんだ汚れがたまっている

様子を目にすることもないようです。

年末に大掃除をする時に、時代劇や神社仏閣で行われて

いる 「すす払い」 のような天井を掃くという方法はなか

なか見かけなくなったかと思います。


しかし、 「すす」 だけが天井にたまるものではなく、

目には見えないホコリがたまる場所ーそれが、壁や天井

なのだそうです。

一般的に部屋の掃除と聞いてイメージするのは、掃除機や

フローリングモップを使った床掃除、最近ではロボット掃除機

が自動で行う光景が多いかと思います。

 

家のなかでもっとも広い場所

 
日々の掃除で、床掃除をこまめにしているにも関わらず、気づ

いたら白いホコリが家具やテレビなどに積もっている・・・・・・

そんなこと、よくあるかと思います。

実は、天井や壁にたまっているほこりが落ちてきているよう

です。


ホコリの原因となるものは、布製品・外出時についてきた塵や

花粉・髪の毛・紙クズのかけら・ペットの毛等、様々だそうです。

普段は目に見えないほど細かくなったホコリは、エアコンや人の

出入口などで起こるほんの少しの空気の動きに乗って部屋中を

飛び回ってしまい、 「すす」 ともいえるホコリは、壁やカーテン

そして天井付近に発生している微細な静電気にひきよせられて

いってしまうそうです。

また現代の住宅は気密性が高いため、日々の生活の中で窓を

開けて換気する機会も昔に比べて少なくなっていることが、ホコリ

がたまりやすい原因のひとつと言われているそうです。


忘れがちになってしまうかと思います。



忘れてはいけない 「天井のお掃除」



お掃除の基本は上から下へーといいうのはよく言われていること

だと思います。例えば天井付近の照明カバーを掃除し、背の高い

家具やカーテンレールの上部のホコリをモップでなでるお掃除は、

誰もがよくやる方法だと思います。

高いところからホコリを落とし、最後は床掃除をするとスッキリした

気分になり、そんな時にふと思い出してほしいのが、天井や壁の

ホコリのことです。


ホコリは部屋のなかの微かな静電気で壁や天井についてしまい、

掃除は窓を開けて行うイメージが強いものですが、実は空気の対流

も静電気発生の理由のひとつとの事です。


そのため、ホコリを天井や壁から落とし、床の掃除をする一連の流れ

は窓を開けずに行い、掃除が終わってから換気をする方が良いよ

うです。

またホコリ掃除に使用する道具も、静電気の起こりにくい天然素材で

作られたもの、静電気除去の導電繊維などが使われた 「除電」 作用

があるホウキやモップ、ハタキを使うことが重要のようです。


ホコリは、カビ・ダニ・細菌などの住処などのすみかでもあり、風や喘

息、アレルギーの原因にもなってしまうようで、江戸時代の人々が一年

の 「厄」 を払っていたように、普段はあまり目をやらなかった天井の角

や壁面との境目を、そっとホウキやハタキで掃いてみるのは

どうでしょうか。

  

また次回おたのしみに  峰不二子   


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