お中元・お歳暮はなぜ贈る?起源と歴史、現代の
ルールを知る
駅やデパートなどで 「お歳暮」 の言葉をよく目にする
ようになってきました。近年では、虚礼廃止ということで
企業間のお中元・お歳暮のやりとりは減ってきている
ようですが、「お世話になっている方に感謝の気持ちを
伝えたい」 「冬のご挨拶として贈りたい」 と考える方
は多く、年間を通じての贈答品の割合テータを見るとお中
元・お歳暮の時期が最も多くなっているようです。
思いのこもった贈り物は、やはり嬉しいものですね。
今日は、お中元・お歳暮の起源や歴史、現代に残るしきたり
などを勉強しましょう。
お中元の起源
お中元の由来は中国の暦にあるそうです。中国では、古代か
ら旧暦で上元(1月15日)、中元(7月15日)、下元(10月15日)
の3つに分ける暦法があるそうで、道教の教えから中元の日に
神様にお供え物をした人は罪を赦されると信じられていた
そうです。仏教の影響から盂蘭盆(うらぼん)の行事と結びつい
てご先祖様を供養する日になったと言われていることと
思います。
これが日本に渡り、日本にも、1年を1月と7月で2つに分けて
祖霊を祀るという考え方があったそうで、お中元・お歳暮が年中
行事として定着していったと言われていたそうです。
現代のような、物を贈り合うものになったのは、祖霊など神への
お供え物を人々で共に食べる 「共食(きょうしょく)」 をするため
に配ったり、贈ったりしたことが始まりと考えられているようです。
主な品目が食料品になったわけ
とある方の説によると、餅・米・酒といった特別な力があると考え
られていたようで、祭りなどのハレの日の祝宴におけるお供えとし
て用いられ、お供え物を人々で分かち合って食べ、神と人間との
共同飲食をするということが贈答の重要な目的であったそう
です。
そのため、ハレの日の食べ物が贈答品として用いられることが
慣例となっていったようです。
また、交際の観点から、贈答は、お互いに1つの火で煮炊きした
ものを分け合うことを簡略化したものだそうで、そうした食物を
共同で飲食することが 「つきあい」 になると人々が考えた
ためと言われているそうです。
祭りの場に参加できない人に食料を贈るのは、直接居合わせ
ない人との共食を意味するようになったようです。宗教的な
意味合いでの共食に加え、交際の意味合いでも贈答は大事な
役割を持ったそうです。村落社会の中で、個人間、家族・親族
や近隣都のつながりを強く持つことになり、共同体意識を高め
る視点からの共食に発展し、そのことがコミュニティーにおける
秩序維持の効果もあったと考えられていたのだそうです。
また次回おたのしみに 峰不二子